日証館は、第一国立銀行・東京株式取引所などの創立者として知られる渋沢栄一
の私邸跡地に昭和3年に建てられました。
戦中、東京証券取引所が閉鎖された時期は、ここが株式取引所の役目を果たした
こともあります。その後、高度経済成長期、バブル経済と、たくさんの証券会社が
店子となり、 活気に満ちあふれていました。
東京証券取引所をはじめ、周辺の証券業界の歴史的建築物が次々に建替えられ
ていくなか、日証館は、戦前の重厚感ある「日本のウォール・ストリート」の雰囲気を今に伝える稀少な建物となっています。
設計は、日本工業倶楽部や三越日本橋本店など近代日本の西洋建築の数々を造った
横河民輔。当時の姿を遺す玄関ホール・階段室はとくに見応えがあります。
また、2013年には日本政策投資銀行による不動産評価でDBJ Green Building認証
ゴールド評価を獲得。築50年以上の建物では、初の認証となりました。
今回は、施設関係者の方より、歴史ある建物の魅力とともに、長寿命建築ならではの
ご苦労など、直接お話を伺える貴重な機会となります。
日証館内部見学の後は、日本のウォール街を散策しながら、証券マンたちも
御用達だという大正14年築のオーダーワイシャツ「永楽屋」を訪ねます。
日本の資本主義の歴史がいっぱい詰まった日本橋川周辺の建築に触れ、それを支える人達に出会えるイベントです。
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東京都中央区日本橋兜町1
竣工:1928
設計:横河工務所
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