築80年の和館を改築したM邸は、その外観からも分かるように異素材で施された空間で構成されています。2階の和館と1階のテラスルームのある瀟洒な洋館を吹き抜けのガラスボックスが、上品に融合させています。日本では大正から昭和初期にかけて、玄関脇に三角屋根の洋館(洋間)を持つ洋館付和風住宅が、多様化する生活者のスタイルに合わせた建築として多く建てられました。M邸は、時代を経て進化した洋館と和館の良さを併せ持つ住宅です。
外観だけでなく、内部もまた、その表情豊かな空間に目を奪われます。調度品、道具の一つ一つに住み手のこだわりを感じます。
古民家再生に向き合い、こだわりぬいた空間づくりは、住んでからも続いているとオーナーは言います。そのエピソードをじっくりお話いただく貴重な機会です。住まうことの愉しさを教えてもらえる見学会です。
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東京都東久留米市学園町
竣工:2002
設計:有限会社TAU設計工房
2002年建築・環境デザイン部門 - 建築デザイン グッドデザイン賞受賞 |