イベント

建築開放区 フォーラム・東京を語る 水辺から愉しむ東京 都市楽師 スケジュールマップ

都市楽師プロジェクトとは?

街の歴史的建造物の空間や、建築のもつ物語に合わせて、音楽家が曲をコーディネートし、演奏して回る、というこれまでにない試みです。
都市楽師とは、中世の終わり頃からバロック時代のヨーロッパにおいて、各都市で雇われた職業音楽家たちのことです。貴族に雇われた宮廷楽師とは立場が異なり、街の塔などで時を告げるラッパを吹いたり、祝祭や行列などイベントのための演奏に加えて、街の警備員の役目もするなど、街の姿と必要に合わせて様々に対応する能力と特権を持っていました。
「音楽で、街を愉しく。」の趣旨に賛同し今回のopen! architectureに集まった現代の都市楽師は26名。東京の名建築空間の魅力を音楽の力で引き出してみたいと考えます。

都市楽師たちの活動や、担当者のつぶやきなどを掲載した「都市楽師プロジェクト ブログ」ができました。左の写真をクリックして、ぜひごらんください。


街に現れる都市楽師たち

聖バレンタイン・ブラスアンサンブル
1979年結成のアマチュアブラス界トップレベルアンサンブル。様々なシチュエーションでの編成に対応可能のまさに現代の都市楽師。
近藤治夫・オオノシンヤ(バグパイプ)
中世・ルネサンス音楽を主なレパートリーとする。本邦初のバグパイプ工房Atelier de la cornemuse工房主(近藤)でもある。
岩附智之(パーカッション)
NPO法人「バンブーオーケストラ」メンバー。2007年、TBSラジオ主催の「Dialog in the dark Japan まっくら音楽会」に出演。
熊本比呂志(パーカッション)
希少な古楽界若手でもあり、西洋音楽から民族音楽まで、一般的には珍しい楽器も奏しマルチな活動が注目される。
三宅まどか(マリンバ)
パーカッションユニットTuk-Pak、パーカッショングループ「PHONIX」メンバー、「ケチャ」レコーディングに参加。
アンサンブル雲水
古楽アンサンブル(中川つよし・上田美佐子・坪田一子・渡辺玲子):北区の銭湯「殿上湯」での演奏会シリーズ「殿上の音楽/古楽in銭湯」などユニークな活動を続け「過去の音楽に命を吹き込むこと」を信条とする4人の古楽奏者。
高子由佳(クラリネット)
数々の国際コンクールでタイトルを獲得し、ドイツ国家ソリスト資格をもつ。
ザ・ブリューゲル・バンド
バグパイプアンサンブル(近藤治夫・上尾直毅・山根篤・山根京子):ブリューゲルの絵画をモデルに製作されたバグパイプとパーカッションのアンサンブル。
木田智之・直子(ハープ&歌)
スコットランドでケルトの代表古楽器クラルサッハの伝統奏法を学んだ木田智之と、スコティッシュソングの普及活動など展開する木田直子のデュオ。
佐藤亜紀子(リュート)
古楽の名門ケルン国立音楽大学、スイスのバーゼル・スコラ・カントールムで学び帰国後はソロのみならずアンサンブルでもひっぱりだこのリュート奏者。

全体スケジュール

5月15日(木)

12:00~、14:30~ 滝の広場(約10分間)

12:30~、15:00~、17:00~ 三井タワーアトリウム(約30分間)

13:10~、15:40~三越新館正面玄関(約10分間)

17:40~18:20 「石橋を叩いて…」常盤橋(40分間)

5月16日(金)

12:30~、15:30~ 三井タワーアトリウム(約30分間)

18:45~19:45 都市楽師プロジェクトpart.1(約1時間)

5月17日(土)

10:00~、11:00~、12:15~、13:15~、14:45~、15:45~ 「水上の音楽」(往復約45分間)乗下船場所:常盤橋

10:15~、14:30~ 三越新館正面玄関(約15分間)

11:45~12:20 都市楽師プロジェクトpart.1(約35分間)

12:45~、15:00~ 三井タワーアトリウム(約15分間)

17:00〜 邸宅建築でリュートを愉しむ

10人のラッパ吹きと、名建築たち。

10人のラッパ吹きと、名建築たち。

金管楽器(=ブラス)の歴史は古く、その輝かしい音色への畏怖から神の楽器といわれていました。
神託的な場面で神・天使の声、予言や審判の時を告げる音として象徴的に使用されてきた歴史もあります。またその豊かな音量やポータブルなかたちにより街の広場や自然の中での演奏、人々の集会や行進の先導としても求められて来ました。各都市がおかかえブラス・アンサンブルをもつといわれるイギリスの話は1996年にヒットした映画「ブラス!」でも有名です。ブラス・アンサンブルの作曲は近代に入って盛んになったため、演奏の「鑑賞」の習わしにとらわれない自由な作品が生まれました。
日本橋の名建築、三井本館と三越本館が向かい合う江戸桜通りはこの日、東京都心にできた大きな広場となります。
日本アマチュアブラス界の最高峰、聖バレンタイン・ブラスアンサンブルの10人のブラス奏者がこの巨大な広場と、神殿のような古典建築の柱に、ブラスの可能性を見出して演奏します。

日時

5月16日(金)18:45~19:45
5月17日(土)11:45〜12:20(ダイジェスト版)

会場

三越本館ライオン像前~三井本館列柱前

出演

聖バレンタイン・ブラスアンサンブル(10人のラッパ吹き)<15、16日>

近藤治夫・オオノシンヤ(バグパイプ)熊本比呂志(パーカッション)<16日>

ザ・ブリューゲル・バンド<17日>

定員

500名 [16日(金)] + 200名 [17日(土)] 程度

都市楽師、日本橋に現わる

都市楽師プロジェクトpart2「都市楽師、日本橋に現わる。」 

日本橋界隈のそこかしこに都市楽師が出現、全部聴いたら日本橋を一周です。

東海道の出発点でもあり、背景に流れる滝の水音が印象的な「日本橋・滝の広場」、石造りの柱のそびえ中央通りに面した「三越日本橋本店新館・エントランス」、現代の巨大な「塔」の基部に抱かれたアトリウム空間「日本橋三井タワーアトリウム」、そしてかつての江戸の門、石橋「常盤橋」は、高速道路の下にありながら大聖堂の回廊の遠くから音が響いてくるような不思議な音空間となっています。

この日本橋界隈の空間で奏でようとすると、音楽は街のさまざまな音と共にあることを要求されます。

今回、常盤橋や三井タワーアトリウムで演奏するパーカッショニストたちは、カナダの作曲家マリー・シェーファー(1933-)のサウンド・エデュケーションの実践の一例、「一日に聞いた音を書き出してみよう!」を挙げながら、音楽を通して街の「静けさ」を見つけ、「建築と街のもつ声」を聴く可能性を私たちに投げかけます。滝の広場の水音、中央通りの往来や、高速道路の下での車両の音でさえ、音楽コーディネートの対象となることに注目したいところです。

また、中世都市楽師が行ったであろう演奏しながらの「練歩き」を日本橋の石の建築群へ持ち込むのは近藤治夫率いるバグパイプアンサンブルのザ・ブリューゲル・バンド。謎多き「ハーメルンの笛吹き男」を現代の都市で行う企画ですが、これはバグパイプのポータブルな形態と街歩きの組み合わせで、まさに「音楽で街を愉しく」する演奏となっています。

また今回唯一の室内である「三井タワーアトリウム」へは、大理石とガラスで構成された大聖堂のイメージを重ねました。「過去の音楽に命を吹き込むこと」を信条にした古楽器アンサンブル「アンサンブル雲水」の4人のメンバーは、1日に3度行われる演奏会にそれぞれ「バロック聖堂の響き~イタリアの教会ソナタの系譜」「音楽における瞑想と雄弁~イギリスのファンタジー、組曲、ソナタ」「ドイツ・バロック音楽の精華~バッハとヘンデルの室内楽」といったテーマを設けています。イタリア、イギリス、ドイツの3つの国のバロック音楽を堪能するプログラムは、古典建築の柱が描かれたガラスとイタリアンレストラン、そしてまっすぐに延びた竹という異種の要素が絶妙に組み合わされたすがすがしい空間で、古楽ファンのみならず多くの人の五感を愉しませることでしょう。

これらのプログラムを追いかけながら1日を巡り終えると、「街の音、建築の音」が今までよりも心地よく、私たちにとって街が魅力的になっているのではないか。

音楽と街の音の掛け算を試みたいと思います。

日時

5月15日(木)、16日(金)、17日(土)

場所

A. 日本橋滝の広場 B. 三越新館エントランス C. 三井タワーアトリウム D. 常盤橋の4会場にて演奏

出演

近藤治夫・オオノシンヤ(バグパイプ)岩附智之・熊本比呂志(パーカッション)(15日)

アンサンブル雲水 (15日)、高子由佳(クラリネット)岩附智之(パーカッション)(16日)

ザ・ブリューゲル・バンド(17日)

岩附智之・熊本比呂志(パーカッション)三宅まどか(マリンバ)

定員

各ポイントおよそ50名

水上の音楽

都市楽師プロジェクトpart3「水上の音楽」(水辺の建築ガイド付き)

ロンドンのテムズ川に船を何艘も浮かべ、豪遊する王のために奏されたヘンデルの「水上の音楽」は、管楽器の豊かな音量が印象的ですが、ここは江戸の文化河岸日本橋川。それなら粋に、ひそやかな古楽ハープの音色と、優しい歌に耳を澄ませながら、水辺の建築散策をしてみたいと思います。電気式の静かなエコボートで日本橋川を行き来します。往復で45分間の現代の贅沢な舟遊びです。スコットランドでケルトの代表楽器であり古楽器でもあるClarsach(=クラルサッハ・金属弦ハープ)の伝統奏法を学んだ木田智之と、スコティッシュソングの普及活動など展開する木田直子のデュオを聴きながら。

日時5月17日(土)10:00〜、11:00〜、12:15〜、13:15〜、14:45〜、15:45〜(乗船の出航10分前から)
会場乗船場所:常磐橋
参加方法事前申し込み
参加費乗船料:1回1000円(水辺の建築ガイド付き)
定員各回8名
演奏家

木田智之(クラルサッハ=金属弦スコティッシュハープ)・木田直子(歌)

邸宅建築でリュートを愉しむ

都市楽師プロジェクトpart.4 邸宅建築でリュートを愉しむ。

千駄木にある大正7年に建てられた近代和風住宅、旧安田邸(東京都名勝指定文化財)内で、リュートを演奏します。音楽を通して邸宅建築を存分に味わうため、「音楽家とともに庭、居室、廊下を巡りながら演奏を聴く」という、これまでにない趣向の演奏会。リュートはルーツをアラビアのウードにもち、日本の琵琶とは兄弟にあたる撥弦楽器で、ルネサンス・バロックの時代には、「楽器の王」と呼ばれました。

日時5月17日(土)開場16:30 開演17:00 (終演予定18:20)
会場旧安田楠雄邸
参加方法事前申し込み
参加費3000円(入館料込み・マップ付)
定員30人
演奏家佐藤亜紀子(リュート)
注意建物保護のため、靴下をご持参下さい。飲食不可です。